“心地よさ”は、形から始まる。
cocochical まな板に込めた、デザインの話。

忙しい日々の中で、毎日向き合う料理。
その時間が少しでも心地よく、楽しいものになるように。
cocochical(ココチカル)まな板は、そんな暮らしに寄り添うために“使い心地”をデザインの中心に据えて生まれました。
ここでは、性能面だけでは伝えきれない、デザインに込めた思いや工夫をご紹介します。

最初の一歩は、使う人の暮らしを知ること

cocochical をお届けしたいユーザー層は、忙しい日々を送る世帯でした。
そんな暮らしの中でも、「食べること」「暮らしを整えること」を大切にしたい人たちです。私たちはユーザー調査を通じて、いくつもの気づきを得ました。そうした層は、「時短家電など手間を減らすための道具を、暮らしにきちんと取り入れる」という価値観を持っていることが分かりました。さらに、日本の家庭のキッチン事情についても改めて調査しました。調理スペースやシンクのサイズが限られているという、日本固有の環境が浮かび上がってきました。

初期デザイン案は「正方形」だった

実は、cocochicalまな板の最初のデザイン案は、正方形でした。
食器洗い乾燥機に入れやすいまな板を目指し直径24cmの正方形を採用。食器洗い乾燥機に入れやすく、なおかつ置き場所を選ばない正方形は発想としては魅力的でしたが、検証を重ねる中で「メインで使用するまな板として、本当に使いやすいだろうか?」という違和感を感じ始めます。

何度もブラッシュアップして見えてきた“最適解”

使用シーンを想像し、試作や調査を繰り返す中で、私たちの答えははっきりと形を変えていきました。

正方形 → スリムで横長へ
ターゲット層に調査した結果、24cm角の正方形デザインは「サイズ感が小さい」とネガティブな印象を抱く人が多い結果となりました。やはり「しっかり料理ができる」ことが大前提にあります。しかし「調理台が狭い」という意見も同時にありました。
そこで、正方形から大きく路線変更を行いました。通常野菜などの「食材の形状は長いものが多い」こと、また切る動作も基本的に「横方向への移動」です。よって横幅を長くすることで「しっかり料理ができる」ようにしました。それに対し、奥行きは通常のよくあるまな板の縦横比率よりもかなりスリムに。調理台の上で、まな板の向こう側に物をおける余白を確保するためです。
こうして現在の「スリムワイド形状」にたどり着きました。

片づける時まで ”心地よさ”
にこだわった、細部のデザイン

1.洗う事に”気軽さ”を
「まな板を洗う事」は毎日の料理で負担を感じるポイントです。それは重いことが一番の原因ではないかと考えました。通常、樹脂製で厚みのあるまな板は中もぎっしり素材が詰まっているので、どうしても重くなってしまいます。ココチカルは中身に軽い別素材を使用する事で、重さを軽減する方法を採用しました。それによって片手でも楽に持つことができ、洗う事に気軽さを感じてもらえるようデザインしました。


2.撥水性が毎日の心地よさを作る
高い撥水性を持つ素材を選定。 水滴が玉のように弾き、シンク周りや水切りかごが水浸しになりにくい。 乾きが早く、片付けまでスムーズ。使った後のキッチンの景色まで整うことを意識しました


3.食洗機も手洗いも。どちらも選べること
サイズが大きいとどうしても食洗器には入れづらいもの。ココチカルも最終的には大き目サイズを選択しましたが、あくまで食洗機に入れやすいサイズ感、厚みになるよう調整しました。また、シンクにもすっぽり収まるサイズ感です。食器洗い乾燥機と手洗い。どちらを選んでもストレスが残らないことが、重要だと考えています。

目指したのは「切りやすさから洗いやすさまで心地いい、毎日のためのまな板」

料理は「切る」だけでなく、出す、洗う、乾かす、収納する、まで含めた、ひとつの流れ。cocochical まな板は、使い始めから、片付ける瞬間まで、心地よくあることをデザインの軸にしました。

cocochicalは、華美でも、特別でもありません。けれど、使うたびに「あ、いいな」と感じられる。そんな静かな満足感を、デザインで届けたいと 考えています。忙しい日々の中で、料理する時間や、暮らしそのものを大切にしたい人へ。最初から最後まで心地いい。それが、cocochicalまな板のデザインです。

デザイナーインタビュー

cocochicalまな板のデザインを担当した京セラのデザイナーに、開発の裏側や込めた想いを伺いました。

Q. cocochicalまな板をデザインする中で、「これは特に大切にしよう」と思った使い心地のポイントは何でしたか?
A.手に持ったときの持ち心地です。形状や縁のすぼまり具合を工夫し、手に当たる感触がやさしくなるよう設計しました。あわせて、重量バランスにも注目しました。というのも、大きくて重いまな板は「使うぞ」と気合が必要になり、無意識のうちに使うことを 避けてしまうことがあると感じていました。できるだけ負担なく、サッと手に取って、すっと調理台に出せること。その“気軽さ”を大切にしました。 京セラの包丁が軽くて、思わず手に取ってしまう存在であるように、まな板も同じ感覚で使えるものにしたい。だからこそ、重さや持ち心地には特にこだわりました。

Q. 最も悩んだ点、難しかった点はどこでしたか
A.一番悩んだのは、まな板の四隅に設けた凸形状です。裏表両面を衛生的に使用できるよう、調理面が浮くように設計デザインしています。突起が大きすぎると、食材を切る際に邪魔になりますし、見た目としても美しくありません。また、角に汚れが溜まりやすく、使い勝手の面でも課題がありました。世の中には凸形状を持つまな板は多くありますが、単に突起を付けただけのものも少なくありません。それでは、デザイン性も機能性も十分とは言えないと感じていました。 そこで、デザインを邪魔せず、なおかつ洗いやすいことを重視し、四隅の形状を一から検討しました。見た目には「四隅に凸がある」と気づきにくい程度に抑え、全体のデザインに自然になじませています。あえて主張しすぎず、気づくか気づかないか。その絶妙なバランスこそが難しく、同時に最もこだわったポイントでした。

Q. 最後に、このまな板があることで、使う人の暮らしがどのように変わってほしいと願っていますか。
A. 料理は毎日のことだからこそ、忙しい中では心理的にしんどく感じたり、面倒だと思ってしまうこともあります。だからこそ、道具が使いやすかったり、見た目が美しかったりするだけで、気持ちは大きく変わると感じています。世の中のまな板は「切る」ことにフォーカスしたものが多いですが、cocochicalは、手に取る瞬間から、使っている最中、そして片づけるところまでを一連の体験として考えました。少しでも日々のストレスを減らし、料理に前向きな気持ちで向き合えるようになってほしい。このまな板が、そんな前向きな変化を後押しできる道具になれたら嬉しいです。

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