包丁の切れ味を簡単に取り戻してくれるシャープナー。便利なキッチンアイテムですが、「包丁を研ぐ」と聞けば砥石(といし)を連想する方も多いはずです。両者にはどんな違いがあるのでしょうか。
そこで今回はシャープナーを使用するメリットとデメリットについて解説します。砥石と比較した場合にどんな特徴があるのか、詳しくご紹介します。
そもそもなぜ包丁は切れなくなるのか?
シャープナーのメリット・デメリットについて触れる前に、「そもそもなぜ包丁は切れなくなるのか」という疑問をおさらいしておきましょう。
包丁が切れなくなる原因は刃の摩耗です。何度も食材を切ったりまな板にぶつかったりすると、包丁の刃は徐々に摩耗し刃先が丸くなってしまいます。
本来包丁は、「刃先が鋭く尖っていること」、また「表面に凹凸(ギザギザしている)がありノコギリのような役目を果たしてくれること」の2つの条件が揃い、鋭い切れ味を保ってくれます。しかし摩耗により刃先が丸くツルツルの状態になると食材の上で刃が滑ってしまい、切れ味が悪くなってしまいます。
シャープナーや砥石を使って包丁をメンテナンスするのは、刃の鋭さや凹凸具合を取り戻し、食材に刃が入りにくくなったり、滑ったりするのを防ぐのが目的です。
シャープナーを使うメリットとデメリット
シャープナーは簡単に包丁の切れ味を取り戻してくれる便利なキッチンアイテムですが、ここからは砥石と比較した場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット│短時間で手軽に包丁をメンテナンスできる
- 短時間でメンテナンスできる
- 初心者でも簡単に使いこなせる
シャープナーのメリットは、砥石に比べて短時間で手軽に包丁をメンテナンスできる点です。本格的に砥石を使って包丁を研ぐとなると状態の悪い包丁であれば、数十分~1時間前後、作業に時間がかかります。忙しい時間の合間を縫ってこれだけの時間を確保するのは大変です。その点シャープナーはわずか数十秒から数分程度で作業が完了するため、忙しい方でも短時間でメンテナンスができます。
また砥石を使った研ぎ直し作業は、研ぎ方にコツや技術が必要です。初心者が間違った知識で作業してしまうと、かえって切れ味が落ちてしまう恐れがあります。一方のシャープナーは誰でも簡単に使いこなせるよう設計されているため、初心者でも安心して作業ができます。
デメリット│何度も使用すると刃の厚さによって食材との抵抗が上がり、切れ味が回復しない場合がある
- 刃の側面を研ぐことができず刃が分厚くなってしまう
- 食材との抵抗が上がり切りにくく感じる
シャープナーのデメリットとして、何度も使用すると刃に厚みが出てくるため食材との抵抗が上がり、刃が入りにくくなる(切れ味が回復していないように感じる)点が挙げられます。
包丁の先端を細かく見てみると、「刃先に近い側面部分(先端から1~5mm程度」の角度が絶妙に違っています。本来包丁を研ぎ直すときは、刃先と、刃先に近い側面部分の両方の角度をそれぞれ調整し、バランスを整えながら切れ味を取り戻します。
しかしシャープナーは一定の角度でしか研ぐことができないため、刃先の角度は取り戻せるものの、刃の側面の厚さまでは落とせません。刃先は鋭くできても、刃の側面までは研ぐことができないため、刃先のみを研ぐと、次第に刃が分厚くなってしまいます。刃が分厚くなれば、食材への抵抗が上がり、結果として切れ味の悪さへとつながってしまいます。
シャープナーは包丁を手軽にメンテナンスできるのが魅力ですが、包丁本来の切れ味を取り戻すなら、定期的に砥石や研ぎ直しサービスを利用するのがおすすめです。
シャープナーと砥石はどっちを選ぶのがいいの?
ここまでシャープナーのメリットとデメリットをご紹介してきましたが、シャープナーを使用するには一長一短があると分かりました。では結局のところ、シャープナーと砥石のどちらを選ぶのがよいのでしょうか。
シャープナーと砥石を上手く併用するのがおすすめ
結論から述べると、シャープナーと砥石はそれぞれの特徴に合わせて併用するのがおすすめです。具体的には「日常的なメンテナンスにシャープナー」を、「本格的なメンテナンスに砥石」をといった具合に使い分けるのが理想的です。
砥石を使ったメンテナンスは、たしかにシャープナーに比べて刃の厚みを薄くした上で刃付けができるため、切れ味が長持ちします。刃を不必要に痛める心配もありません。しかし、研ぐ際の角度や力加減などにコツが必要な点や、時間がかかる点は、日常的に使用するのにはネックになります。
そこで、日常的なメンテナンスはシャープナーを使用し、包丁を研ぐ数回に1回は、砥石で砥石で本格的なメンテナンスをしてみましょう。砥石を使う頻度は頻繁に料理をする人なら月に1回程度、あまり料理をしない人なら数ヵ月に1回程度で十分です。
これなら、シャープナーと砥石双方のメリット・デメリットを補い合えます。
初心者の方は研ぎ直しサービスや専門店を上手に利用しよう
とはいえ、「砥石で包丁を研ぐのは苦手」「うまく研げる自信がない」といった方はシャープナーを選びたくなるでしょう。そんなときは、シャープナーを日常的なメンテナンス用として活用しつつ、研ぎ直しサービスや専門店を利用するのがおすすめです。
包丁のメーカーによっては、商品の研ぎ直しサービスを提供しています。有料が一般的ですが、定期的にサービスを利用すれば職人がしっかりメンテナンスをしてくれるので砥石を使いこなせない方でも安心です。また最寄りに包丁や刃物研ぎの専門店があるなら、定期的に研ぎ直しを依頼してもよいでしょう。これならシャープナーを使用しつつ、包丁を長持ちさせられます。
豊富なラインナップが揃っている京セラキッチンのシャープナー
今回はシャープナーを使用するメリットとデメリットについてご紹介しました。シャープナーは砥石に比べ短時間で包丁のメンテナンスができ、初心者でも簡単に使用できます。一方で砥石に比べて切れ味が長続きしない点や、だんだんと、刃が分厚くなり、切れ味が回復しなくなる可能性がある点がデメリットといえます。
とはいえ、誰でも手軽に使用できるシャープナーはとても便利で、プロの料理人が使用しているケースも少なくありません。シャープナーで日常的なメンテナンスを施しつつ、本格的なメンテナンスは砥石の使用や専門店へ依頼するなどして、アイテムを上手に使いこなすのがおすすめです。
京セラキッチンでは、手動・電動をはじめ包丁の素材に合わせて複数のシャープナーをご用意しています。いずれの商品も初心者でも使いやすいよう設計されているため、日常的な包丁のメンテナンスにはぴったりです。また、切れ味が落ちてきた時のために、熟練工による研ぎ直しサービスもご用意しています。
シャープナー選びで悩んでいる方は、ぜひ京セラキッチンの商品をお選びください。
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